Poem & Python
2つの言語、1つのテーマ
第1回 Life
life.py
#coding:utf-8
class Life:
def __init__ (self,i='君'):
print(i+'へ、誕生おめでとう')
def grow(self):
print('大きくなったね')
オブジェクト思考 命について
命を定義しなさい
という問いに
言葉では到底答えられないから
「命はそう簡単には定義できない」なんて
心の中で思ってた
なんてバカなんだろう
数字でも
言葉でも
重さでも
長さでも
測れない
命
というオブジェクト
僕の認識が
及ぶか及ばないか
僕の手で
掴めるか掴めないか
は関係なく
そのオブジェクトは
遥か前から既に完璧に定義されているのだ
Pythonの勉強をはじめて、いちばん戸惑ったのが、
オブジェクト指向でした。
整数でもなく言葉でもなく新しいデータの型を定義できる、という概念が難しく思えたのです。
そこで、概念には概念をぶつけよう、というわけで、lifeというクラスをつくってみました。
life.pyはとても簡単なコードだけれど、実際動きます。
ちなみに、僕はPython2系を使っています。
気が向いたら、life.pyというファイル名で保存して、Pythonを起動させてみてください。
そして、次のコードを打ってみてください。
>>>import life
命をインポートする。
(なんて官能的な響きなんだ!)
>>>my_life = life.Life()
と打ち込めば、my_lifeを、Lifeというclassで定義できます。
君へ、誕生おめでとう
というメッセージが表示されたら成功です。
これで、my_lifeは、数字でも言葉でもない存在になりました。
my_lifeではなくcatでもdogでもかまいません。
>>>cat = life.Life()
そのとき、せっかくなので、名前をつけるのもよいでしょう。
>>>cat = life.Life(’たま’)
たまへ、誕生おめでとう
と表示されますが、ここで勘違いしちゃあいけない。
決して、
cat = ‘たま’
になったわけじゃないんです。
catは、あくまで、Lifeというクラス(概念)のデータなのです。
そして、そのクラス(概念)には、メソッド(行動)をつけていくことができます。命には、どんなメソッド(行動)がふさわしいと思いますか?
命は育つ
命は喜ぶ
命は震える
命はいつか朽ちる
僕は手始めに、growというメソッドをつけてみました。
今回は、ここまでです。
written by 並河進